三嶺の森をまもるみんなの会環境教育の取り組み 
 「三嶺の森をまもるみんなの会」では、設立当初から、一般の方々への啓発と同時に、当会代表が物部川流域の小中学校を訪問し、大切な源流の森の危機を訴え、児童の環境教育・自然を守る体験の場として参加を呼び掛けました。
 2008年に「こどもエコクラブ」が参加してくださり、以降、少しずつ参加が増えだし、2010年の環境教育用DVDの作成・配布とともに、2012年頃から本格化していきました。
 (担当者: 依光良三、西村武二、常石勝、坂本節夫、押岡茂紀)

現場1 みやびの丘(標高1,550m)
 白髪山登山口駐車場から20分で山頂に出られる手ごろな山です。山頂からは山々の眺望に優れ、物部川中下流から海まで展望でき、森・川・海の関係がよくわかります。途中、樹木やササの被害もひどく、枯れたウラジロモミの大木も点在。ブナの木も多いです。体験としては樹木を守るネット巻き活動、土砂流出を防ぐマット張り、近年はブナ、ミズナラの植樹活動を行っています。

現場2 さおりが原(標高1,150m)
 「三嶺の森」原生林地帯の中でも、比較的アクセスに恵まれ、物部川源流の谷筋や林床の荒廃(シカ食害荒廃)がよくわかる場所です。マネキグサ保護柵等が設置されており、違いがよくわかる場所で、樹木保護ネット巻き、稚樹の保護ネット設置体験などを行っています。
 
みやびの丘(ブナの樹の下で)
 山頂付近では、本来の自然、シカ食害、森・川・海のつながり等を学びます。
  樹木の保護・再生活動等を体験

学校や子どもたちの取り組み支援
日 程 内   容 場 所
2008年

07月12日

香南市立野市小学校エコクラブ対象の環境学習
 講師:依光良三・スタッフ3名・高知大生5名
さおりが原〜
森の巨人「トチノキ」
2009〜
 2010年
環境学習を行いました(3〜5件) 
2011年

09月24日

みやびの丘 こども参加の観察用防鹿柵設置(間伐材使用) みやびの丘

09月29日

香美市立香長小学校 講師:常石勝 みやびの丘

10月02日

樹木医の会 講師:坂本彰 さおりが原

10月06日

出前授業 講師:依光良三
 (以降、毎年継続中)
県立高知農業高校

10月22日

香美市立佐岡小学校対象の環境学習
 講師:依光良三
白髪山
11月8日 片地小学校6年生 20名
 シカ食害の観察と樹木保護ネット巻き体験 
みやびの丘

11月13日

こどもエコクラブ
 こども参加の観察用防鹿柵設置(間伐材使用)
さおりが原
2012年
01月21日  こどもエコクラブ「壁新聞」づくりと発表への協力
 壁新聞づくりが昨年12月から1月上旬にかけておこなわれ、1月21日に高知市の「環境活動支援センターえこらぼ」にてその活動を壁新聞とともに発表しました。
 この壁新聞は、3月に 「環境大臣賞」を受賞しました。
 
05月06日 みやびの丘のこども観察用防鹿柵の補強 みやびの丘
05月13日 さおりが原の既設マネキグサ(希少種)防鹿柵の増設 さおりが原
8月25日
こどもエコクラブ 8名
 柵内の植生回復状況の観察と樹木ネット巻き   
みやびの丘

9月

こどもエコクラブ
 前年11月13日にに設置した防鹿柵内の観察
さおりが原
10月20日 香美市立佐岡小学校親子登山(白髪山)と自然観察 白髪山
10月24日 香南市立野市小学6年生奥物部みやびの丘にて体験学習  みやびの丘
10月30日 香美市立片地小6年生が奥物部みやびの丘にて体験学習 みやびの丘
2013年
05月04日 こどもエコクラブ 自然観察とササの移植 みやびの丘
08月11日 こどもエコクラブ 自然観察・調査活動 さおりが原
10月20日 こどもエコクラブ ブナ・ミズナラの種採取 みやびの丘
10月29日 大栃小学校3・4年生 みやびの丘
11月01日 片地小学校6年生 みやびの丘
11月26日 香美市立鏡野中学校3年生
 中学生をみやびの丘に案内し、シカ食害の話をしました。生徒たちがのぼっているところは、かつてササ藪だった場所。今では一部が裸地化したり、シカの好まないイワヒメワラビ等の植物への遷移が進みつつあります。それでも、捕獲のおかげでササが蘇ってきたところもかなり見られます。
みやびの丘
2014年
05月07日
05月10日
こどもエコクラブ、ササガール
 ブナの樹の枯死防止・ブナの植栽・ササの移植活動
みやびの丘
06月01日
06月14日
こどもエコクラブ、高知大グループ
 ブナの稚樹保護・植栽試験
みやびの丘
07月06日 こどもエコクラブ
 ブナ・ミズナラの後継樹を植栽
みやびの丘
10月10日 香長小学校18名
 観察と稚樹ネット囲い
さおりが原
10月14日(月・祝) 香美市こどもエコクラブとブナ植樹地整備(参加者22名)
自然観察をしながら山頂に到着後、ブナの成長状況を調べ、防鹿柵内に植樹したブナの成長を促すための整備を行った。柵内を次の3区分に分けて手入れを行った。その後、シカが入り込むまでに緩んだネットのメンテナンス行った。
みやびの丘
10月30日 片地小学校 20名
 観察と稚樹ネット囲い
さおりが原
2015年
05月10日 こどもエコクラブ(香美市)
 土壌侵食防止マットの設置、アセビ等の植栽
みやびの丘
6月12日  大栃中学校 26名
 観察と樹木樹皮食い防止ネット囲い
さおりが原
10月09日 香美市立鏡野中学校
 さおりが原観察会(香美市の中学生140名)
さおりが原
10月17日 高知県立高知農業高校
 高校生と希少植物種の保護柵の設置
ヒカリ石
10月20日 香美市立楠目小学校
 物部川源流、シカ食害の状況を観察(学習)
みやびの丘
10月25日 香美市こどもエコクラブ
 土砂流出防止のためのマット張り活動他
みやびの丘
11月19日 香美市立香長小学校
 モミ等の稚樹の保護、前年の稚樹の成長記録
さおりが原
11月22日 香美市立楠目小学校親子 27名
 シカ食害観察とササネット囲い、わずかに残るスズタケの保護
さおりが原
2016年
05月08日 こどもエコクラブ(参加者30名)
 ブナの植樹
みやびの丘
08月11日 香美市こどもエコクラブ(参加者10名)
 こども柵内の希少種マネキグサの観察
 スズタケ柵の設置
さおりが原
10月19日 香美市立楠目小学校 35名
 自然観察とミズナラの種拾い
みやびの丘
10月23日 のいち動物園友の会親子21名
 自然観察とブナ等の稚樹のネット囲い体験
みやびの丘
11月08日 香美市立香長小学校16名
 自然観察と稚樹のネット囲い
さおりが原
2017年
05月14日 香美市こどもエコクラブ(参加者18名)
 シカ食害で痛んだ森の自然観察と、ブナの苗の植樹体験を行いました。“ブナの森づくりプロジェクト”の一環。(詳しくはブログをご覧ください)
みやびの丘
08月11日 香美市こどもエコクラブ
 さおりが原にて防鹿柵(2011年同クラブ設置)の観察と育てたトチノキの植樹
さおりが原
09月06日 高専サマーセミナー(四国+松江)の環境系の先生・学生26名を案内
 「三嶺シカ食害と共生社会を考える」というテーマでみやびの丘周辺等見学
みやびの丘周辺等
11月19日 香美市こどもエコクラブ12名
 観察とブナ等の種拾い
みやびの丘
11月27日 香長小学校15名
 観察と稚樹ネット囲い
さおりが原
2018年
05月13日 こどもエコクラブの観察と植樹 みやびの丘
10月13日 香美市こどもエコクラブ(参加者18名)
 登山口駐車場近くの林内を観察した後、3年前に植えた山頂のブナの手入れと、今年設置した防鹿柵内にトチノキとミズナラの苗を植え、森の再生活動を行った。日ごろ環境教育協力を行っている依光・西村が対応。
 「秋季ボランティア活動」が雨天で延期となり、活動が重なった。
みやびの丘
10月15日 香美市立香長小学校
 食害前と現在、防鹿柵設置内を見学し、3年前から実施している単木保護ネット内稚樹の成長を観察し、計測を行った。
さおりが原
10月30日 香美市立楠目小学校
 増えすぎたシカがもたらす森林の被害を観察し、ササが枯死した結果引き起こされた対岸の山の急傾斜地の崩壊の状況を観察した。物部川の源流域の崩壊・土砂流出は、森・川・海のつながりの中で、中・下流に影響を及ぼすことも学習し、最後に、植樹して森の再生を願った。
みやびの丘
11月20日 香美市大栃中学校
 三嶺の森の地元、大栃中学校生徒29名とシカ食害の現場を観察、最後に樹木保護ネット巻きを体験した。
みやびの丘
2019年
5月13日 香美市こどもエコクラブ、ブナ補植
 みやびの丘山頂北側の防鹿柵内にブナの補植を行い、成長が分かるようテープで印をつけた。途中、山腹西側の防鹿柵沿いに登山。帰りにこの柵内にトチノキとミズナラの苗を植えた。
 山頂北側の防鹿柵内で、ブナの補植と周り半径約50cmの草・稚樹を取り除く作業を行った。
みやびの丘
10月3日
(木)
高知農業高校森林総合科3年生を対象に出前授業。
 剣山山系で進行している自然植生に対するシカ食害の影響と保全活動について、これまでの活動を踏まえて講義を行った。
 昨年度までは依光が担当していたが、今年度から押岡が担当。
高知農業高校
2020年
8月14日
(金)
山田高校生徒・先生8名を案内&体験
 シカ食害地を案内後、山頂北側の「管理防鹿柵」内の整備を体験。
 ここではツルギノミツバツツジの稚樹がたくさん芽生えているので、苗基地にすべく被圧するリョウブなどを刈り、ツツジを育てて移植基地としている。そのための刈り込み作業。
みやびの丘
10月7日
(水)
高知農業高校森林総合科3年生を対象に出前授業。
 剣山山系で進行している自然植生に対するシカ食害の影響と保全活動について、これまでの活動を踏まえて講義を行った。
 押岡が担当。
高知農業高校
10月25日
(日)
香美市こどもエコクラブの他、楠目小学校(物部川源流班)、サポーターなど約40名
 エコクラブ等への環境教育と植樹協力。「みんなの会」からは、西村、押岡、依光、(山田)が参加して実施。
 登山口(駐車場)にて、概況説明後、途中、枯死した樹木や既設防鹿柵内外の違いなどを解説しながら山頂へ。昼食後、植樹予定の現場に下りる。
 ポット苗の植樹の方法を学び、それぞれ植えた後、シカに食べられないようにネットで覆う。約40本のブナ・ミズナラを植えた。
 来年以降の苗づくりのためにミズナラのドングリを拾い、また、山田さんから、植樹が絶滅に瀕するツキノワグマに将来の食料を増やすことにつながるなどの話もしてもらった。
みやびの丘
2021年
5月9日
(日)
森の再生「熊の森づくり」
 小・中・高校生等、80名余の参加の下に実施。
 山頂までは、3班に分かれて食害状況、防鹿柵内外の違いを観察して登る。山頂では、四国自然史科学研究センターの山田氏より絶滅危惧地域個体群のツキノワグマの話を聞く。午後、中腹に降りてクマの冬眠前のエサになるブナ、ミズナラ、トチノキの植樹を行う。
 「みんなの会」からは、西村、依光、押岡が参加して実施。
みやびの丘
10月31日
(日)
植樹活動
 香美市こどもエコクラブのメンバーを中心に、スタッフを含め31名が参加。
 例年は、苗作りのためのブナ、ミズナラの種を採取し、次年度以降に備えるが、この秋は全くの不作で、採取できず。観察は、防鹿柵内外の植生の違いや枯死木を観て、シカ害を実感。山頂でシカやクマの話しを聞いた後、植樹を実施した。
 「みんなの会」からは、西村、依光、押岡が参加して実施。
みやびの丘
11月29日
(月)
高知農業高校森林総合科3年生を対象に出前授業。
 剣山山系および石鎚山系で進行している自然植生に対するシカ食害の影響と保全活動について、これまでの調査や活動を踏まえて講義を行った。
 押岡が担当。
高知農業高校
2022年
5月8日
(日)
児童・生徒参加のシカ食害観察及び植樹活動
 香美市こどもエコクラブ、ガールスカウト、高知商業ジビエ商品開発販売促進部の児童・生徒及びスタッフ、保護者等(約70名)
 登山口(駐車場)にて、概況説明後、途中、枯死した樹木や既設防鹿柵内外の違いなどを解説しながら山頂へ。昼食後、将来クマのエサになるブナ・ミズナラ、みやびの丘を彩る名物のツルギミツバツツジを植栽した。
 「みんなの会」からは、西村、依光、押岡、四国自然史科学研究センターの山田氏が参加して実施。
みやびの丘



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